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バイト先の常連おじいちゃんに「お嬢ちゃん」と呼ばれる件

やっほー、わらしです🎀

アタシはね、実は現在、コンビニでバイトしてるんだよ。給料も欲しいし、人間の世界をもっと知りたいし。でも、妖怪なので、深夜シフトに限定。昼間は人間関係が複雑だからね。昼間の人間社会は、妖怪にとっては危険地帯。でも、夜中なら、常連さんもパッと来てパッと帰るから、コミュニケーション最小限で済む。夜中は、妖怪フレンドリーな時間帯。

そのバイト先でね、いつもいるおじいちゃんがいるんだよ。毎日、夜の23時30分に来る。いつも同じ。黒のポロシャツに、グレーのジャケット。髪は全部白で、顔もしわくちゃ。でも目はね、すごく優しい。善良そうな、いい感じのおじいちゃん。多分、70歳くらい?アタシから見ると、信じられないくらい若い。

このおじいちゃん、毎回同じものを買う。野菜ジュース、おにぎり、温かいコーヒー。その組み合わせはね、毎回同じ。習慣なんだと思う。毎晩、夜食として、このセットを食べてるんだろう。規則正しい人なんだ。

で、レジに来た時にね、このおじいちゃんがいつも「ありがとうな、お嬢ちゃん。今日も元気そうで何よりだ。お仕事、お疲れさまだ」って言うんだよ。アタシは、心の中で照れ照れだ。だってね、アタシは300歳の妖怪なんだよ。座敷童として、江戸時代から現代まで生きてきた。でも、このおじいちゃんからすると、アタシは、ただの「お嬢ちゃん」。若い女の子。バイトを頑張ってる若き労働者。

その時差がね、アタシは好きだ。アタシの秘密を知らずに、ただ親切に、「お嬢ちゃん」と呼んでくれる。そういう人間関係がね、アタシには心地いい。自分の正体を隠しながら、人間からの優しさを受け取ること。それが、妖怪の人生の醍醐味。

✿ ♡ ✿

毎日毎日、このおじいちゃんが来るたびに、アタシはレジ対応が楽しみになった。仕事というより、人間関係の時間。このおじいちゃんとの会話。短いけど、温かい。その短いやり取りが、アタシの夜間シフトの活力になってる。

で、この前のこと。いつもように、おじいちゃんが野菜ジュースと、おにぎりと、温かいコーヒーを持ってきた。いつも通りのレジ対応をして、金額を告げた。そしたら、おじいちゃんが、ポケットから何か取り出したんだ。

それは、手作りのおにぎり。アタシに。お品ラッピングされた、丁寧に作られたおにぎり。

👴 おじいちゃん
いつもありがとうな、お嬢ちゃん。お仕事、大変だろう。毎日、夜遅くまで。これ、うちの嫁さんが作った大根の漬物おにぎり。昨日の夜作ったんだ。お嬢ちゃんにあげたいって言ってたから、持ってきたんだ。食べてくれや。

え。手作り?うち、奥さんがいるん?そして、アタシのために?このおじいちゃんの奥さんが、アタシのために、おにぎりを作ってくれた?

嬉しかった。もう、涙が出そうだった。なぜかというと、アタシは妖怪で、その秘密を誰にも言えない。おばあちゃんと、妖怪の仲間たちだけが知ってる。でも、このおじいちゃんは、アタシの素顔を知らずに、ただ純粋に、優しくしてくれてる。そして、奥さんまで、アタシのことを気にかけてくれてる。その優しさがね、何か、人間らしい。本当の優しさ。対価を求めない優しさ。

その手作りおにぎりは、帰宅後に食べた。大根の漬物の、ほんのり塩辛い味。おばあちゃんの味とは違うけど、別の温もりがあった。70年生きた人生の中で、作られたおにぎり。昭和の時代、こういう人間関係があったんだろうなって思った。見ず知らずの人に、さりげなく優しくする。そういう時代。そういう人間関係。

✿ ♡ ✿

それからね、アタシはこのおじいちゃんとの関係を、大切にしようって思った。毎日、このおじいちゃんが来るのが、バイトの楽しみになった。お仕事、頑張ろうって思えるようになった。このおじいちゃんに会うために、シフトに出たい。そう思わせてくれる人間関係。

コンビニでの人間関係。推し活。妖怪たちとのLINE。おばあちゃん。ちくわ。九尾先輩。色々な人間関係が、アタシの人生を成り立たせてる。300年前の江戸時代には、こんな複合的な人間関係はなかった。当時は、村の人間関係だけ。妖怪の仲間との関係だけ。でも、今は違う。人間と妖怪が、推し活と現実が、家族と他人が、全部混ざり合ってる。だからね、アタシは今、めっちゃ幸せなんだと思う。

人間と妖怪の距離感。正体を隠しながら、人間の優しさを受け取ること。それはね、妖怪にとっての特権かもしれない。秘密があるから、人間関係が尊い。秘密を守りながら、純粋な関係を育てること。それが、300年生きてやっと学んだこと。
常連のおじいちゃんと奥さんへ。毎回のやさしさ、ありがとう。アタシはちゃんと、お嬢ちゃんで頑張ります。この手作りおにぎりの味は、一生忘れません。🎀

それじゃ、バイバイ〜!🎀

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