やっほー、わらしです🎀
大変です。大変なことが起きました。初めてカラオケに行ったら、妖力が漏れてしまいました…人生で初めての失敗で、すごく落ち込んでます。
きっかけはね、九尾先輩が「カラオケ行こう」って誘ってくれたんです。アタシ、カラオケなんて行ったことなかったから、ドキドキしながらいきました。駅前のビルにあるカラオケ屋で、スナックみたいなお店で、個室に案内されて、リモコンを渡されて…「え、これ…歌うんですか?」初めての体験にアタシ、緊張しまくってました。
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「そうだね。1000年生きてると、たくさんの歌を知ってる。古い民謡から、最新の流行まで。アタシが歌ってあげようか。お前も聞いてみな」
先輩が歌ったんですよ。その時のアタシの感想は…「え、えええ?!上手すぎる…」でした。
1000年の人生の重みが、その歌声に乗ってるんですよ。音程完璧、ビブラート完璧、感情表現完璧。もう芸術です。人間じゃ絶対に出せないレベル。その瞬間、アタシね、感動で胸がいっぱいになっちゃったんですよ。「あ、この人は1000年間、こんなに素整な歌の歴史を見てきたんだ。その全部が詰まってる」
その迫力に、アタシね、思わず妖力が漏れちゃったんです。興奮したというか、感動したというか…300年分の感動が一気に爆発しちゃった。アタシの妖力は喜びの感情に反応するから。先輩の完璧な歌唱に、我慢できなくなっちゃった。
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そしたらね、採点の画面がね…バグったんですよ。
「100点!!!」「100点!!!」「100点!!!」
何曲歌って、100点。スコア計算がおかしくなってるのか、採点機が妖力でイカれちゃったのか…先輩の歌唱力が100を超えてるのか…わかりません。その画面を見た時、アタシね、「あ、やっちゃった」って思いました。
「わらし…妖力が漏れてる。採点機を壈すなんて…人間と妖怪が共存する時代に、こんなことしちゃダメ」(怒りモード)
先輩に怬られました。「妖怪と人間が共存する時代に、こんなことしちゃダメ」って。確かにそうですよね。カラオケ屋さんも困るし、他のお客さんもいるし…アタシの不注意で、機械を壊してしまった。
でもね、アタシは思ったんです。先輩の歌唱力の前では、採点機だって吹っ飛んじゃう。それくらい素晴らしい。…ただし、妖力を漏らしちゃダメっていうのは、耳が痛い指摘です。アタシはもっと自分を制御する必要がある。妖怪社会の一員として。
店員さんに謝ったら、「あ、こういうことあるんですね。修理出します」って対応してくれました。良心的なお店だ。でも、申し訳ない。アタシの不注意で機械を壊してしまった。アタシのバイト代で修理費を払うか、先輩に相請しようかな。
カラオケ屋さんに、後日お詫び状を持って行ったんですよ。アタシからの手書き手紙。「妖力で採点機を壊してしまい、申し訳ございませんでした」なんて書いちゃった。店員さんに「え、妖力?」って聞かれて、あ、やばい。でも、素直に�]ったら、「大丈夫です。次からは気をつけてください」って優しく言ってくれました。人間って…優しいな。
採点機がバグった後、店長さんから「何があった?」って聞かれたんですよ。アタシ、冷や汗かきました。「え、あ、えっと…」って。結局、「感動しすぎて…」って曖昧に答えたら、店長さんが「九尾先輩の歌声、相当上手いんだな」って笑ってくれたんです。妖力が漏れたことは、気づかれなかった。よかった。
でもね、その時から思ったのは、妖怪が人間界で生活するって、こんなに大変なんだ。妖力を隠す。妖怪であることを隠す。毎日、毎日、誰かになりすまして生活する。アタシは家にいるから、まだマシだけど、人間社会で働いてる妖怪たちは…どれだけ我慢してるんだろう。その葛藤が、カラオケ機械のバグに現れてしまった。アタシ、ごめんなさい。
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